実施者
日立金属(株)NEOMAXカンパニー、名古屋工業大学、物質・材料研究機構、九州工業大学
背景
わが国が誇る低環境負荷先端技術の基盤材料である超高性能磁石の急速な需要の増大に備えて、希土類元素への依存度を低減した新磁石の開発が急務となっています。日立金属(株)は文部科学省の《元素戦略プロジェクト》に名古屋工業大学、物質・材料研究機構、九州工業大学とともに参画し、低希土類元素組成と高性能な新磁石の研究開発に取り組んでいます。
目的
特定地域に偏在する稀少元素を用いず、しかも低希土類組成の高性能異方性ナノコンポジット磁石を創成し、将来の大量需要に備えることを目的とします。その実現のため、高保磁力基材磁石粉末および高磁化金属ナノ粒子の製法の開発と、その基盤となる組織生成および保磁力発現メカニズムの解明を進めます。
研究概要
1.基材とする異方性磁石粒子の開発
2.異方性コンポジット磁石の開発
異方性集合組織を有しかつ高保磁力を持つ粉末粒子の作製には希土類・鉄・硼素化合物のHDDRプロセスを用います。 HDDRプロセスは単結晶粒子を高温水素中でナノ結晶組織に分解した後に、水素を除去して異方性集合組織を有する多結晶体とするプロセスです。
この基材磁石のマルチスケール組織解析、新規な磁区観察手段の研究を推進し、組織生成および保磁力発現機構の解明に基づいて基材粒子の高特性化を目指します。
この基材磁石のマルチスケール組織解析、新規な磁区観察手段の研究を推進し、組織生成および保磁力発現機構の解明に基づいて基材粒子の高特性化を目指します。
2.異方性コンポジット磁石の開発
この高保磁力粒子にナノ鉄粒子を複合化させ、バルク化することにより、異方性ナノコンポジット磁石の実現を目指します。
研究手法
期待される研究成果とインパクト
- 高保磁力発現手法の開発により希土類イオンの磁気異方性への依存度を軽減することが可能になれば、稀少元素を使わずに高温でも熱減磁しにくい磁石材料の研究開発を展開することができるようになります。
- Dyなどの偏在稀少元素を使用しない新磁石材料が実現できれば、高性能磁石の大量消費時代が到来しても原料資源の制約が少なく、我が国の先端産業の発展を支えることができると期待されます。
(研究代表者: 日立金属(株)磁性材料研究所 広沢 哲)