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ニュースリリース 2000年


2000年8月10日
日立金属株式会社

リサイクル可能な
高純度スパッタリングターゲット材の開発について
−熱プラズマ液滴精錬技術の実用化推進−



 日立金属は、この度、高純度スパッタリングターゲット材の製造方法として熱プラズマ液滴精錬技術の実用化研究を通産省の補助金を受けて推進することにいたしましたので、お知らせいたします。

1.背景

  近年、情報産業を支える薄膜電子部品の高性能化に伴い、その薄膜材料ソースであるターゲット材は多元合金化とともに高純度、低酸素、高密度、均一微細組織が強く求められています。また、薄膜材料には、資源の限られた貴金属等が多く、そのターゲット材のリサイクルが重要な課題となっています。
 しかし、従来の真空冶金をベースにした製造技術では、これらの技術要求やリサイクルを達成することが困難です。そのため、新たな製造技術が強く求められています。

2.経緯

  当社は上記の要求を満足する製造方法として、熱プラズマ液滴精錬が有効であることを実験的に確認し、平成12年度新規産業創造技術開発費補助金の交付を受けて、実用化研究を推進することになりました。
 なお、当社安来工場および冶金研究所の所在地である島根県では、プラズマ応用技術を地域振興策として推進しています。当社は島根県の推進プロジェクトに参画し、プラズマ表面改質技術の研究に積極的に取り組んでまいりました。今回の推進決定は、この取り組みが基盤となっております。

3.熱プラズマ液滴精錬技術について

(1) 概要
原料粉末をキャリアガスと共に熱プラズマ高温領域に供給し通過させることで、加熱された粉末は溶融し液滴となり、表面張力の働きによって球状化すると共に、同時に不純物元素が除去されて高純度効果が得られる。
(2) 特長
1)常圧の液滴状態での精錬反応を生かして、原料粉末の球状化と高純度化を実現
2)焼結技術のノウハウを組み合わせて、高純度かつ組織の微細均一化制御の両立を達成
3)使用済みターゲットの粉砕と本技術の組み合わせにより、ターゲット材のリサイクルが可能


4.ターゲット材について

(1) 本製法を適用するターゲット材の種類
半導体用ターゲット材および磁気記録、平面型ディスプレイ(FPD:Flat Panel Display)用極低酸素ターゲット材
(2) ターゲット材への要求
半導体ULSI(注1)の高集積化に伴い、配線幅は0.18μmから0.13μmへ微細化する。これに用いられる薄膜材料は一層の高純度化とスパッタ成膜時の低パーティクル化(注2)が進展。そのため、薄膜材料ソースであるターゲット材については、さらなる高純度化と組織の微細均一化が要求されている。

本技術と従来製造法との比較
  熱プラズマ液滴精錬 電子ビーム溶解
高純度
均一微細組織 ×
製造コスト 低い 高い

(3) 製品化の状況
大型、5N(99.999%)以上の高純度Ru(ルテニウム)ターゲット材の開発をめざし、現在、Φ300mmのRuターゲットを試作中。今後、さらなるレベルアップと量産技術の確立を推進する。


5.特許

国内3件、海外1件出願済み

6.開発担当研究所

冶金研究所(島根県)

7.用語説明

注1:ULSI(Ultra Large Scale Integration)超超大規模集積回路
注2:パーティクル
半導体集積回路の薄膜成膜プロセスに際して、発生する一定サイズ以上の粒子(異物ともいう)のこと


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