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2002年 ニュースリリース

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7月17日 研究開発

2002年7月17日
日立金属株式会社

 

自動車向け排気系部品用新材料の開発

----鋳鉄系材料から鋳鋼系材料までのシリーズ化を実現----


 日立金属は、この度、自動車用排気系部品に使用される新材料として、高温耐熱性に優れた新オーステナイト系耐熱鋳鉄「ハーキュナイト-EX」を開発し、この新材料を適用した製品の販売を開始いたしますのでお知らせいたします。


1.開発の経緯

  近年、世界的に厳しくなる排気ガス規制、燃費規制に適合させるため、自動車用エンジンは、高負荷で運転する際の排気ガス温度が年々上昇しています。当社は、950〜1050℃という高温に耐えられるハーキュナイト-S(オーステナイト系耐熱鋳鋼)シリーズを筆頭に、色々な温度の幅に対応した最適かつ高性能な耐熱材料を適用した各種排気系鋳造製品を市場に提供し、好評を得ております。
 現在、メタル温度900℃前後の環境下で使用されているオーステナイト系耐熱鋳鉄材のニレジストD5S材は、エンジンの高性能化に伴うメタル温度の上昇や、生涯走行保証距離の延長に伴う耐久基準の見直し等により、要求される耐久性を満足できない場合が生じており、上級材である、フェライト系耐熱鋳鋼やオーステナイト系耐熱鋳鋼への材質変更をせまられています。
 当社は、メタル温度900〜950℃の温度域でも使用可能なオーステナイト系耐熱鋳鉄材の研究開発を続けてきましたが、今回、メタル温度950℃以下の環境において、従来のニレジストD5S材の性能をしのぐ新耐熱材料を開発することに成功いたしました。
 なお、メタル温度800〜850℃の環境に適合する新材料についても近日発売予定です。これにより鋳鉄系材料から鋳鋼系材料までのシリーズ化が実現し、設計・製造・評価技術と合わせ、顧客にベストなソリューションを提供できる体制が整います。

2.新材料とその特長

  新オーステナイト系耐熱鋳鉄「ハーキュナイト-EX(NMHR-EX)」は、耐熱材料開発の豊富な経験に基づく合金設計により、製造コストをほとんど上げることなく、ニレジストD5S材の問題であった、高温域における耐熱き裂性を大幅に改善すると同時に、フェライト系耐熱鋳鋼の耐熱変形性や耐酸化性に匹敵する高温特性を持つ優れた新耐熱材料です。
 特長は次の通りです(ニレジストD5S材比)。
 (1) 同一温度条件では熱疲労寿命は約50%向上。
 (2) 耐熱温度はメタル温度で約50℃上昇し、フェライト系耐熱鋳鋼と代替が可能。
 (3) 概略材料特性。
  • 耐熱変形性 25%向上、フェライト系耐熱鋳鋼を上回る。
  • 耐酸化性  20%向上、フェライト系耐熱鋳鋼に匹敵。
  • 耐熱き裂性 約50%向上、フェライト系耐熱鋳鋼にほぼ匹敵。

3.用途

4.特許

  特許2件(国内1件、海外1件)を出願済。

5.販売計画

  2003年度    8億円(ハーキュナイト・シリーズ全体130億円)
 2005年度   12億円(ハーキュナイト・シリーズ全体163億円)

6.製造及び販売

  製造:自動車機器カンパニー真岡工場
 販売:自動車機器カンパニー


以  上

◆「ハーキュナイト」は日立金属の登録商標です。

この件に関するお問い合わせ先
  日立金属  自動車機器カンパニー 担当 岡崎 TEL 03-5765-4239
     広報室 担当 小林 TEL 03-5765-4079

<用語説明>

(1)オーステナイト系耐熱鋳鉄材
基地がオーステナイト組織である球状黒鉛鋳鉄。ニレジストD5S材(JIS FCDA-NiSiCr 35 5 2)や当社のハーキュナイト-N材(NMHR-5S)がこの材料。

(2)タービンハウジング
ターボとはタービンの意味。エンジンが排出する排ガスの排気圧でタービンを回し、この同軸についたコンプレッサーが吸気を圧縮して、エンジンに吸入される混合気の圧力を上げる装置。タービンハウジングは、このターボを構成する容器。使用される材料には、優れた耐熱変形性と耐熱き裂性が要求される。

(3)排気マニホールド
多気筒のエンジンで、ヘッドから外側の排気管のマニホールド(多岐管)をいう。各気筒のポート出口から集合して1本の排気管につなぐ役目をする。マニホールドの形状がエンジン性能に影響は大きい。エキゾーストマニホールドともいう。



ハーキュナイト-EXの位置付け

ハーキュナイト?EXの位置づけ

■主な用途

  ○タービンハウジング
 ○排気マニホールド

■特性比較
(メタル温度900℃〜950℃近傍での耐熱特性の比較例)

  使用耐熱温度 熱変形性 耐酸化性 耐熱き裂性
ハーキュナイト-EX
(NMHR-EX)
850〜950℃
フェライト系耐熱鋳鉄
(高SiMo球状黒鉛鋳鉄)
700〜800℃
オーステナイト系耐熱鋳鉄
(D5S)
800〜900℃
フェライト系耐熱鋳鋼 850〜950℃
オーステナイト系耐熱鋳鋼 950〜1050℃

●合格: 5ポイント
●条件付合格: 3ポイント
●不合格: 1ポイント

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