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2002年 ニュースリリース

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11月28日 研究開発

2002年11月28日
日立金属株式会社

 

薄型・大型液晶ディスプレイ用に最適なフェライト材の開発


 日立金属は、この度、120℃以上の高温下で使用可能なマンガン系フェライト材を開発し、量産体制を整えましたのでお知らせいたします。新材質(MBシリーズ)は、薄型・大型化が進む液晶ディスプレイ用のインバータタトランス用として最適です。

薄型・大型液晶ディスプレイ用に最適なフェライト材


1.開発の経緯

  近年、液晶ディスプレイは、PC用、携帯電話、大画面テレビ用などに広く用いられ、その市場は拡大の一途をたどっております。これに伴い、そのバックライトを点灯するためのインバータトランスの需要も急増しています。さらに、液晶ディスプレイの薄型化、大型化に伴い、インバータトランスには小型・薄型化とともに、高出力化が強く求められてきました。
 インバータトランス用のフェライトコア材料としては、高い飽和磁束密度*1をもち、かつ低損失のマンガン(Mn-Zn)系ソフトフェライト*2材料が用いられますが、この要求を満たすためには、ソフトフェライトの動作点を高くする必要があり、ソフトフェライト自体の温度が上昇します。このため、ソフトフェライトには高温下でも高い飽和磁束を維持しつつ、コア損失*3が小さいことが要求されます。
 当社では、この要求に応えるため100℃で使用可能なマンガン系低損失フェライト材のMLシリーズを開発し、好評を得てまいりましたが、さらなる市場の要求に応え、損失の最低温度が120℃と、当社従来材と比較して、20℃高い新材質MB19Dを開発いたしました。損失は20%以上低減、100℃における飽和磁束密度は10%高い440mT以上を実現しています。このMB19Dを用いることにより、コア体積が10%小さくなるとともに、インバータ全体の効率も88%から91%に向上させることができます。
 これは、当社が長年培ってきました粉末冶金技術により、成分組成、焼成前の中間生成物・粒度などの粉体特性、焼成条件などを厳密に制御することで初めて実現できたものです。
 また、携帯電話機用の液晶ディスプレイ用材質のMB28Dも同時に開発いたしました。
 量産は、鳥取工場と中国番禺工場で同時立ち上げを行ない、お客様のご要望にフレキシブルに対応できる体制を整えております。

2.特徴

1) 100℃における飽和磁束密度が440mTと高い。
(当社従来材比13%、他社材比5〜10%増)
2) コア損失のボトム温度がMB19Dで120℃、MB28Dは60℃と高い。

3.用途

  液晶バックライトに用いられるインバータ用メイントランス、
 電源用トランス、DC/DCコンバータ用トランス、チョークコイル

4.製品構成

アイテム 飽和磁束密度
(mT)
at100℃
コア損失の
最小温度
(℃)
コア損失の
最小値
(kW/m3
透磁率*4
μi)
MB19D 440 120 350 1900
MB28D 440  60 310 2800
当社ML材 390 100 400 2400
    飽和磁束密度 :測定磁界800A/m
    コア損失の測定条件 :f=100kHz Bm=200mT

5.特許

  特許1件出願済。

6.販売計画

  2002年度  1億円
 2003年度  5億円
 2005年度 10億円

7.製造及び販売

  製造:情報部品カンパニー鳥取工場、中国番禺工場、
 販売:情報部品カンパニー

以  上

この件に関するお問い合わせ先
  (製品) 情報部品カンパニー 担当 木村 TEL 03-5765-4426
  (報道関係) 広報室 担当 小林 TEL 03-5765-4079


*1 飽和磁束密度
直流電流を流した時に発生する磁力線の密度。

*2 ソフトフェライト
主原料の酸化鉄に副原料を混合して1000〜1400℃の高温で焼き固めて作った焼き物(セラミック)。

*3 コア損失
交流電流を流した時に発生するヒステリシス曲線の面積(磁心に吸収され熱になる電力)。

*4 透磁率
微小電流を流した時に発生する磁束値を、磁界値で割った値(磁束の流れやすさを表す)
以  上

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