2003年 ニュースリリース
5月14日 
2003年5月14日
日立金属株式会社
代表者名 取締役社長 本多 義弘
(コード番号 5486 東証・大証第一部)
日立金属株式会社
代表者名 取締役社長 本多 義弘
(コード番号 5486 東証・大証第一部)
米国・Honeywell社より、
世界トップのアモルファス金属材料事業を買収
| このたび、日立金属は米国・Honeywell社(以下ハネウェル)より、アモルファス金属材料事業部門であるMetglas®およびその関係会社の事業を買収することで基本合意いたしましたので、お知らせいたします。 日立金属は、エレクトロニクス製品分野で需要が増えている軟磁性材料を製造・販売しています。当社が開発したナノ結晶軟磁性材料「ファインメット®」もそのひとつです。 このたび、アモルファス金属材料をラインアップに加えることによって、日立金属はお客様のニーズに対して、より広範なテクニカル・ソリューションを提供できるようになります。 |
記
1.背景および目的
近年、ITの発達により、各種機器のエレクトロニクス化が進むとともに、小型軽量化へのニーズも顕著となっています。また、省エネルギーや電磁波ノイズへの対策が求められており、世界各国においても法律による規制が強化されつつあります。これらの対策に理想的な材料として、軟磁性材料が用途に応じて幅広く使用されています。アモルファス合金は、ハネウェルの前身のアライドシグナル社が総力を挙げて工業化の実現に取り組んできたものであり、新合金、新製造技術の開発を経て、応用面での開拓にも努め、現在は米国サウスカロライナ州コンウェイの工場において生産されています。
当社は、素材メーカーとして多くの磁性材料を手掛けており、1988年には高い軟磁気特性を有する高機能軟磁性材料「ファインメット®」を世界で初めて発明しました。
このファインメット®の事業化を進めるため、2001年10月より「ファインメット事業推進部」として独立組織を設置、コーポレートプロジェクトとして事業展開を図ってまいりました。
今後軟磁性材料は、ハイブリッド車や燃料電池車などの次世代自動車分野をはじめとして、需要の伸長が大きく見込まれます。さらなる事業展開を図るには、品揃えを強化し総合力をつけることが必要と判断、ハネウェルのMetglas®を買収することといたしました。
今後は、世界のリーディング・サプライヤーとして、ファインメット®とMetglas®の各種アモルファス金属、さらには当社情報部品カンパニーのフェライトコアやハイダストなどの軟磁性材料の品揃えにより、用途とコストパフォーマンスに応じた幅広い組み合わせによる提案が可能となります。
また、当社の材料開発技術および溶解、精錬技術と、Metglas®の薄帯製造プロセス技術の融合に加え、相互のコンポーネント技術の統合強化を図り、新用途開発とコストダウンを進めていくとともに、世界市場での販売網を強化し、安定供給に努めてまいります。
今後も、伸びる分野へ経営資源を集中し、当社の強みを活かした事業を展開してまいります。
2.基本合意内容
| (1) | 取得内容: | |
| ハネウェルのMetglas®部門に所属している人員、生産設備および商標、知的財産権など、Metglas®が保有する資産すべてを日立金属が取得します。 | ||
| 1) | Metglas®-Conway(米国・サウスカロライナ州)は、当社の北米地区統括子会社であるHitachi Metals America, Ltd.(日立メタルズアメリカ、当社100%出資、以下HMA)が買収し、HMAの傘下の子会社となります。 | |
| 2) | インドにおけるMetglas®部門(ハリヤナ州グルガン市在)は、日立金属が買収し、日立金属傘下の子会社となります。 | |
| (2) | 今後の日程:買収は、約定の諸条件が満たされた時点、おおよそ60日以内に完了する予定です。 | |
3.業績に与える影響
当社連結業績に与える影響は軽微です。以 上
| 【報道関係】 | 日立金属株式会社 広報室 | 小林(TEL 03-5765-4079) |
| 【取引先関係】 | 日立金属株式会社 ファインメット事業推進部 | 立花(TEL 03-5765-4045) |
(添付資料1)ハネウェル、日立金属株式会社、日立金属株式会社ファインメット事業推進部概要
(添付資料2)今後市場として見込まれる分野、アモルファス金属材料解説、ファインメット®解説
(添付資料1)
ハネウェル、日立金属株式会社、日立金属株式会社ファインメット事業推進部概要
1.ハネウェルの概要
| (1) | 会 社 名 | Honeywell International, Inc. |
| (2) | 設 立 | 1999年(1999年にHoneywell社とAlliedSignal社が合併) |
| (3) | 本社所在地 | 米国・ニュージャージー州モーリスタウン |
| (4) | 代 表 者 | David M. Cote, President & CEO |
| (5) | 資 本 金 | 4,367百万ドル(2002年) |
| (6) | 売 上 高 | 約220億米ドル(2002年) |
| (7) | 従 業 員 数 | 約12万人(2002年) |
| (8) | 事 業 内 容 | 宇宙航空分野製品およびサービス、産業用およびビル・住宅用コントロール技術、自動車部品、発電システム、特殊化学品、繊維、プラスチック、電子および先端素材の提供 |
2.日立金属株式会社の概要
| (1) | 会 社 名 | 日立金属株式会社(英文社名:Hitachi Metals, Ltd.) |
| (2) | 設 立 | 1956年4月 |
| (3) | 本社所在地 | 東京都港区芝浦一丁目2番1号 |
| (4) | 代 表 者 | 代表取締役社長 本多 義弘 |
| (5) | 資 本 金 | 262億8千3百万円 |
| (6) | 従 業 員 数 | 約17,000名(2002年度;連結ベース) |
| (7) | 売 上 高 | 約4,100億円(2002年度;連結ベース) |
| (8) | 事 業 内 容 | 高級金属製品、電子・情報部品、自動車用高級鋳物部品、設備・建築部材の製造・販売およびサービス他の提供 |
3.日立金属株式会社ファインメット事業推進部の概要
| (1) | 設 立 | 2001年10月 |
| (2) | 所 在 地 | 東京都港区芝浦一丁目2番1号 (製造部門:島根県安来市、鳥取県鳥取市) |
| (3) | 代 表 者 | 立花隆雄 ファインメット事業推進部長 |
| (4) | 従 業 員 数 | 約120名(2002年度;連結ベース) |
| (5) | 売 上 高 | 約20億円(2002年度;連結ベース) |
| (6) | 事 業 内 容 | ナノ結晶軟磁性材料「ファインメット®」の製造および販売 |
(添付資料2)
今後市場として見込まれる分野、アモルファス金属材料解説、ファインメット®解説
1.今後、軟磁性材料の市場として見込まれる分野および用途
<分野>
・ ハイブリッドや燃料電池電気自動車などの次世代自動車分野
・ 情報通信や家電などのエレクトロニクス機器分野
・ 医療機器や半導体製造装置などの各種産業機器分野
・ 電磁波シールド対策を必要とする電力や建設分野
<用途>
上記分野のパワーエレクトロニクス部品やEMC対策部品、各種センサー
2.アモルファス金属材料とは
結晶構造組織を持たないことから、非晶質金属とも呼ばれています。
従来の結晶質金属材料と対比して、アモルファス金属材料は優れた磁気特性や機械的特性を示すことから、電力配電用変圧器、電子・電気回路用磁気コア、金属接合用材料等の幅広い技術分野に採用されています。
3.ファインメット®とは
1988年に、日立金属が世界に先駆けて開発した超微結晶組織を有する新軟磁性材料です。一般には、ナノ結晶軟磁性材料とも呼ばれており、アモルファス合金を結晶化させ、製造します。
ファインメット®は、既存の軟磁性材料に比べ、高い飽和磁束密度かつ高い透磁率を両立し、軟磁性材料として理想的な特性を実現します。従来、結晶質軟磁性材料は結晶粒径が小さくなると軟磁気特性は劣化すると考えられていましたが、ファインメット®は非結晶質であるアモルファス合金に微細な結晶を持たせることにより、アモルファスの特性を超えたもので、従来常識を覆した革新的な軟磁性材料です。その優れた軟磁気特性から、ノイズ関連、電源関連、通信関連等の用途に適する高性能磁性部品用軟磁性材料として、今後の発展が期待されています。
| (特 長) | (効 果) | |
| 高比透磁率・低コアロス | ⇒ | 機器の小型化・省エネ |
| 磁歪ゼロ | ⇒ | 低騒音、加工による特性劣化小 |
| 経時変化少 | ⇒ | 高い信頼性・安定性 |
| 温度特性良好 | ⇒ | 高い信頼性・安定性 |
| 磁化曲線の制御が可能 | ⇒ | 幅広い用途 |
以 上