日立金属トップページ > ニュースリリース > 2005年 > 9月28日

2005年 ニュースリリース

一覧へ戻る

9月28日 製品

2005年9月28日
日立金属株式会社

 

小径、狭ピッチに対応した手動式マイクロボールマウンタを開発

----12インチウエハに直径80μmのボールを150μmピッチで200万個一括搭載----

日立金属株式会社(本社:東京都港区、社長:本多義弘、以下日立金属)は、12インチウエハ※1上に直径80μmの鉛フリーはんだボール※2を150μmピッチで200万個の一括搭載ができる手動式マイクロボールマウンタを世界で初めて開発いたしました。


1.背景及び概要

半導体デバイスが高性能化するに従って、信号伝達速度の高速化と入出力ピンの高密度化が求められております。これまでは、半導体集積回路(チップ)からプリント基板への電気信号伝達には、伝達距離の長い金ワイヤーとリードフレームを使う周辺端子型(図1)が主流でしたが、直径80〜120μmの微小なはんだボールを使うフリップチップ(FC)※3接続と直径300〜450μmのはんだバールを使うボールグリッドアレイ(BGA)を組み合わせた格子端子型(図2)へと徐々に置き替えが進んでおります。格子端子型は、信号伝達距離を短くして高速化が図れるだけでなく、はんだボールを小径化することで、並べる間隔(ピッチ)を狭くできることから、回路を高集積化することが可能です。このため、半導体集積回路の材料であるウエハ上に、これまでよりも、小径なはんだボールを効率よく、高密度に配列することができる「はんだボールマウンタ」のニーズが高まっております。

 日立金属では、昨年、8インチウエハ上に直径100μmの鉛フリーはんだボールを200μmピッチで50万個一括搭載できる手動式マイクロボールマウンタを開発いたしました。今回は、この技術をベースとして、さらに高性能化する開発に取り組み、12インチサイズのウエハ上に、直径8μmの鉛フリーはんだボールを150μmピッチで200万個の一括搭載ができる手動式のマイクロボールマウンタ(図3)とボール未搭載箇所に補充搭載するボールリペア装置(図4)を世界で初めて開発することに成功いたしました。
 今回の開発により、半導体の試作、研究開発用途において、今後主流となる12インチサイズのウエハを使って、小径、狭ピッチで鉛フリーはんだボール搭載を安定して行うことが可能となり、より高性能な半導体設計が可能となります。
 さらに今後は、より狭ピッチとなる手動式マイクロボールマウンタの開発を進めることに加え、昨年、共同開発した自動式マイクロボールマウンタの小径、狭ピッチ化にも取り組み、世界標準機とすることを目指してまいります。

 鉛フリーはんだボールは、環境への関心の高まりや欧州のRoHS※4指令をうけ、急速に普及が進み始めております。日立金属は、この分野において、高精度な鉛フリーはんだボールからマイクロボールマウンタまでのトータルソリューションサービスの提供が可能であり、これからも半導体デバイスの高性能化に貢献してまいります。

周辺端子型と格子端子型
図1.周辺端子型 図2.格子端子型

図3 マイクロボールマウンタ
図4 ボールリペア装置外観

図5 12インチウエハへの搭載例(ボール直径80μm/150μm Pitch/約200万個)

2.原理



(1) ウエハの上にメタルマスク(穴の空いた金属板)を乗せ、印刷用フラックス※6をスキージで伸ばすと、ウエハの表面に、マスクの穴の部分だけ印刷用フラックスが付着する。
(2) メタルマスクを外し、同じ位置に穴の空いているホール配列治具をウエハに被せる。そこへ鉛フリーはんだボールを流し込み、特殊なスキージブラシ※7でボールを分散させると同時に、マスクの穴の部分にボールを落し込む。この時、フラックスには粘性があるので、ボール配列治具を外してもボールはウエハに付着した状態に保たれる。
(ここまでがはんだボールマウンタによる)
(3) その後、ウエハをはんだリフロー炉へいれ、温風を与えることで、はんだボールを固着させる。

3.特長

(1) 12インチウエハ(最大300×300mm)への200万個一括搭載を実現
ボール配列治具(新開発)*8と特殊なスキージブラシ、フラックス(新開発)を使用
径80μm、150μmピッチの搭載が可能(これまでの搭載能力径100μm、200μmピッチ)
(2) エクストラボール*9の発生を抑制し、反りのある基板にも搭載可能
ボール配列治具をウエハ表面に吸着させる密着機構※10を採用
(3) 高品質のバンプ形成を低コストで実現
バンプ高さの均一性(コプラナリティ)※11がボール精度により保証され、計測が不要。
バンプ組成選択※12の自由度がめっき法に比べて向上、さらに組成変動も小さく、鉛フリーはんだ組成検討に効力を発揮。
ドライプロセスのため、ウエハ、基板への腐食、汚染などのダメージを抑制。
ペースト印刷法に比べてフラックス量を大幅に低減させることができ、バンプ内のボイド(隙間)の発生確率も大幅に低下。
吸着マウント方式※13に比べて、搭載治具コストを大幅に削減。
ペースト印刷法※14に比べてさらなる狭ピッチ・多ピン対応が可能。

4.マイクロボールマウンタの仕様

項目 仕様
従来品 新規開発品 従来品
方式 手動式 手動式 自動式
装置
サイズ
印刷ユニット
  550W×350H×500Dmm
配列ユニット
  1000W×450H×600Dmm
印刷ユニット
  630W×270H×590Dmm
配列ユニット
  1135W×580H×670Dmm
2900W×1600D×1750Hmm
適用基板
サイズ
最大200×200mm
(8インチウエハ)
最大300×300mm
(12インチウエハ)
最大300×300mm
(12インチウエハ)
ボール径 最小直径100μm 最小直径80μm 最小直径100μm
搭載ピッチ 200μmピッチ 150μmピッチ 200μmピッチ
搭載時間
10分以内
印刷、搭載を含め、マスクのアライメント時間*15を除く
15分以内
印刷、搭載を含め、マスクのアライメント時間を除く
8インチウエハ 7分以内
12インチウエハ 10分以内
備考 2004年10月1日発表   販売:アスリートFA株式会社
 ボールリペア装置については、お客様の要望に合わせて仕様を設定いたします。

5.用途

(1) ウエハ・基板開発
(2) 鉛フリーはんだバンプの信頼性評価
(リフロー後のバンプ形状/寸法、電極との接合強度、バンプ組成と電極材の相性など、最適バンプを形成するための条件出しなど)
(3) 基板またはウエハ試作・セミ量産

6.希望小売価格

  950万円/台 (マスクは別売、消費税を含む)

7.特許出願件数

  35件

8.出荷時期

  2005年10月より

9.販売計画

  2006年度 5台/年

10.製造および販売

  日立金属株式会社 特殊鋼カンパニー

11.その他

  10月4日(火)〜8日(土)に、千葉県・幕張メッセにて開催される「CEATEC JAPAN2005」にて、本製品関係の展示・紹介を行います。
以  上
FCバンプ
【お客様からのお問い合わせ】    
 特殊鋼カンパニー 担当 林 TEL03-5765-4373
【報道機関からのお問い合わせ】    
 コミュニケーション室 担当 南 TEL03-5765-4079



ご参考

【用語解説】
※1  ウエハ
シリコン単結晶の板。集積回路が形成される。現在は8インチが主流で使われているが、12インチ(直径300mm)も生産が始まっている。

※2  鉛フリーはんだボール
新しい半導体パッケージ形態であるBGA/CSPパッケージ(Ball Grid Array/ Chip Scale Package)の端子材料。日立金属は、世界に先駆けて不活性ガス雰囲気で、溶湯はんだの状態から直接均一体積のはんだ液滴を完全気相中凝固によって形成するはんだボールの製造方法である均一液滴噴霧(UDS)法による量産技術を開発。従来の油中造粒法に比べて、偏析フリー、表面清浄度向上、製造リードタイム短縮、高生産性、小径ボールの精度向上等の特徴を有する。この量産技術を用いて製造した日立金属の「鉛フリーはんだボール」は、最小直径80μmから供給が可能で、表面の高清浄度、小径でも高精度が特長で、今後、市場ニーズの高まりにより、直径50μmの販売も開始予定。

※3  フリップチップ(FC)
半導体集積回路(チップ)を基板に接続する際に、ワイヤボンディングとは異なり、チップを裏返すことで、チップと基板の距離を短くすることができる。

※4  RoHS指令
2006年7月1日より欧州で施行される有害物質使用規制。電気・電子機器における有害物質6種(鉛、六価クロム、水銀、カドミウム、ポリ臭化ビフェニール、ポリ臭化ジフェニルエーテル)の使用が制限される。

※5  バンプ
FC接続や、半導体パッケージとマザーボード間の接続に用いられる端子。はんだがバンプとなる。

※6  フラックス
はんだ付けを行う際、接続面を活性化する作用を持つ薬剤。本工法に採用した新規開発のフラックスは、ボールの固定性に優れ、マスク汚染がほとんど無い。

※7  特殊なスキージブラシ
新設計のボール振込みブラシ。エクストラボールを発生することなく、必要最低限のボール数で、高いボール振込み率を達成できる。

※8  ボール配列治具
ボールを所定の場所に位置決めする整列治具であり、※7の特殊なスキージブラシと組み合わせて使うことにより、ボールの高速整列が可能である。

※9  エクストラボール
本来一つのはんだボールしか入るべきで無い一つのはんだバンプ形成孔に、余剰に入ってしまうはんだボールのこと。このエクストラボールが発生すると、バンプ体積が増加し、コプラナリティの異常や、バンプ間のブリッジを引き起こす。

※10  密着機構
ウエハ/基板とボール配列マスクの間にボールが潜り込まないよう、ウエハ/基板の表面にマスクを隙間なく密着させる。吸着原理は機密。プラスチック基板などでは、基板の反りが大きく、従来の吸着マウント法では、その反りが吸収できず搭載率向上に限界があった。今回新規に開発したマスク密着機構を用いると、反りのある基板でも安定した搭載が可能となる。

※11  高さ均一性(コプラナリティ)
FC接続やBGA/CSPのはんだバンプ接続する際、全てのはんだバンプが同時に受けの電極端子と接触する必要がある。接続信頼性向上のため、はんだバンプの高さはできるだけ平坦であることが要求される。

※12  組成選択性
鉛フリーめっきは、従来のすず-鉛めっきに比べて、共析条件の制御が大変困難であり、すず/銀やすず/銅といった2元系のめっきでも組成が変動する。一方、溶製されたはんだを用いると任意の多元系鉛フリー組成が選択できる。例えば現在鉛フリー組成の主流となっているSn-3Ag-0.5Cu(単位:mass%)はめっき法では安定生産が困難である。

※13  吸着マウント方式
下図に示すように、吸着ハンドによって容器からボールを吸引/取り出し、基板上のフラックスが塗布された場所にボールの位置を合わせて転写する方法。吸着ハンドに余分なボールが付着したり、表面にうねりを持った基板への転写が難しく、大面積の一括搭載は技術的に困難である。



※14  ペースト印刷法
はんだ粉をフラックスに混ぜ込んだペーストをスクリーン印刷によりウエハや基板表面に塗布する技術で、量産レベルではバンプ径180μm程度、ピッチ300μm程度である。なお、開発レベルではマスク開口径70μm程度、ピッチ150μmでの試みもなされているが、バンプ内にボイドが発生する問題や高さの十分なバンプを得られない問題などがある。

※15  マスクのアライメント時間
メタルマスクの開口孔とウエハ/基板上の電極位置を合わせる作業時間



← Page Back

↑ Page Top

個人情報保護方針サイトマップ利用条件
COPYRIGHT © 1997 - 2012 Hitachi Metals, Ltd. ALL RIGHTS RESERVED.