2021年ニュースリリース

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日立金属株式会社

高温強度・靭性に優れるダイカスト金型用鋼 DAC®-Xの開発

DAC®-X

 日立金属株式会社(以下 日立金属)は、高温強度に優れたダイカスト※1金型用鋼「DAC®-X」(ディーエーシー エックス)を新たに開発し、この9月から本格量産を開始しました。昨今のダイカスト鋳造工程におけるハイサイクル化※2が進む中で、DAC®-X は、特に熱負荷の高い用途において特性を発揮し、金型補修工数の低減、ダイカスト製品の生産性・品質の向上、および金型の寿命向上など、ダイカストにおけるトータルコストの低減をはじめとしたソリューションを提供します。

1.背景

 日立金属は、ダイカスト金型用鋼をはじめとするさまざまな用途に応じた金型用工具鋼を製造・販売しており、長年の信頼のもと、多くのお客様に採用いただいております。
 近年、自動車の低燃費化と低価格化の市場ニーズが高まる中、軽量化とリサイクル性に優れるアルミダイカスト製品の適用範囲が広がるとともに製品の高意匠化が進んでいます。
 これに伴い金型形状の複雑化も進んでいるものの、熱処理が難しく、靱性低下により金型が大割れするリスクが高まっています。また、生産性向上のため、成形サイクル時間が短縮傾向にあることからも、鋳造時の加熱・冷却の温度差による金型への負荷が大きくなり、ひび(ヒートクラック)が発生しやすくなります。

2.概要

  • 写真:新高性能ダイカスト金型用鋼「DAC®-X」(イメージビジュアル)
    写真:新高性能ダイカスト金型用鋼「DAC®-X」
    (イメージビジュアル)

 上記背景から、日立金属は2018年に安来工場(島根県安来市)に導入した1万トン級自由鍛造プレスを活用し、新たなダイカスト金型用鋼「DAC®-X」を開発しました。DAC®-X は、高温強度を引き出す合金設計に鋼種独自の組織制御プロセスを組み合わせることで、高温強度と靭性の兼備を実現しています。特に、熱負荷の高い用途において耐ヒートクラック性に優れていることからも、金型寿命を延伸することが可能であり、金型への補修工数の低減や、ダイカスト製品のハイサイクル化においても生産性および品質の向上に寄与します(<補足>「ヒートクラック評価事例」参照)。このため、本品使用において、ダイカスト鋳造工程におけるトータルコストの低減にもつながります。

 日立金属は、今後も新材料開発に注力するとともに、お客様の課題を解決するソリューション技術に磨きをかけ、自動車向けをはじめとした金型業界の変革に応じた提案を実践し続けていきます。

3. 製造拠点

 日立金属 安来工場

4. 特許

 出願済み

以上

【お客様からのお問い合わせ】
日立金属株式会社 金属材料事業本部 担当 田村 TEL 03-6774-3315
お問い合わせはこちらまで

【報道機関からのお問い合わせ】
日立金属株式会社 コミュニケーション部 担当 車谷 TEL 03-6774-3075

<補足>「DAC®-X」の特長

■高温強度 ・高靭性 に特長を持つ耐ヒートクラック性に優れた高性能鋼

写真:~試験内容~ 650℃⇔水冷x3,000サイクル

従来の高温強度重視鋼である当社材DAC®10や、高靭性鋼の当社材DAC-MAGIC®と比較しても
最大のクラック深さがおよそ半分となっており、耐ヒートクラック性に優れる。

優れた高温強度により初期クラックの発生を抑制するとともに、
従来の高温強度重視鋼以上に靭性を改善したことで、クラックの進展を抑制。

■ヒートクラック改善評価事例

  アイテム名 金型
サイズ
鋳造機
サイズ
金型
硬さ
従来材 効果
A社 自動車部品 110×130×170 2,250t 46HRC 高温強度重視鋼 金型寿命 約1.5倍向上
B社 自動車部品 15×65×110 500t 48HRC 高靱性鋼 金型寿命 約2.5倍向上
C社 ハードディスク 75×205×245 350t 48HRC 高温強度重視鋼 金型補修回数
約30%低減
※1 ダイカスト
:溶かした非鉄金属合金に対し、金属製の鋳型に高い圧力をかけて高速で注入する鋳造技術。
良質・精密な製品ができ、かつ瞬時に製品を成形できるため、大量生産にも適する。
※2 ハイサイクル化
:単位時間当たりの生産能力向上のため、鋳造・成形時間が従来よりも短時間で行われる傾向にあること。