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サイアロン製ダイカストスリーブは、溶湯保温性・射出安定性に優れるとともに長寿命という特長を有しています。1986年に開発され、その後改良を重ねて今日に至っていますが、近年、自動車メーカー向けを中心として2,000〜3,000トン(トン:ダイカストマシンの型締力)用の大型サイズの採用が増加しています。
自動車は、地球環境の保全と省エネルギー推進の観点から軽量化のため、エンジンブロックをはじめとして各種部品のアルミ化が、アルミ合金鋳物の採用増という形で進んでいます。中でもダイカストで製造されるものが多いのですが、ダイカストは、生産性は高いものの製品内部の鋳巣欠陥や破断チル層の製品への巻き込みなど、品質面での問題を抱えており、その改善が課題となっています。
ダイカストの品質問題の改善のためには、金型方案をはじめとする多岐にわたる鋳造条件の最適化が追求されていますが、スリーブ内の溶湯保温性と射出時の射出速度の安定性に関して従来のダイカストにおいては乗り越えることの難かしい壁がありました。それは、ダイカストスリーブが鋼製であるために、注入された溶湯の熱エネルギーが大量に奪われ、溶湯の温度、特にスリーブ内壁に接する溶湯の温度が大きく下がり、凝固層(チル層)が発生し、射出時にチップで破断されて破断チル層となって製品内に巻き込まれ、欠陥の原因となること、また、鋼製であるチップとスリーブとの焼き付きを防止するために多量のチップ潤滑剤が使用され、その結果、潤滑剤の燃焼ガスが大量に発生して内部鋳巣の発生につながることです。
図1:ダイカストスリーブ使用位置
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以上のことからダイカスト業界では、保温性に優れ、かつ潤滑剤が少なくても射出安定性が優れるスリーブが求められており、そのため、セラミックスをダイカストスリーブに適用するアイデアがかなり以前(昭和50年頃)からありましたが、実際には、強度、靭性、耐熱性不足のために実用化されていませんでした。そこで、当社は、これらの特性に優れるサイアロンを用い、構造も工夫することによってセラミックス製ダイカストスリーブの実用化に成功しました。
次にサイアロン製スリーブの構造と機能(効果)について述べます。
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