たたらとは
日本刀
日本刀は富士、桜とならび日本を象徴するものでした。また、日本刀は武士の魂であり、大和心を具現化したものであり、入魂の芸術と云われてきました。実際、MITの Dr.Stanley Smith 氏は、日本刀は金属の内部性質から発する最高の冶金的芸術品であると誉め称えています。
日本刀は折れず、曲がらず、良く切れるという武器本来の機能を備えているのみならず、姿の良さ、刃文(はもん)、沸(にえ)、匂(におい)、映り(うつり)や地肌の不思議な美しさなど、神秘的とも言える荘厳な美をもっています。これは日本刀1000年の歴史の中で和鋼の特質を日本刀の中に最大限活用し、表現した結果生まれたものです。
玉鋼をつかった日本刀の製作工程
心鉄の場合 |
日本刀を作るには、まず玉鋼を原料として下鍛えを行います。これは玉鋼を槌で叩いて偏平な形とし(水減し)、これを積み重ねて鍛接し、一つのブロックにまとめる。つぎに折り返し鍛え、または十文字鍛えを繰り返す(下鍛え)。その間に、内部に含まれる鉄滓は絞り出され、残った滓は微細化して分散する。また同時に燐や硫黄などの有害不純物も除かれる。 次に上鍛え(あげきたえ)に入る。 次に素延べし、形を整える。それから好みの刃文にしたがって焼刃土(やきばつち)を塗り、焼き入れを行う。反りが足らないと反りを付ける。次に荒研ぎし、中心(なかご)作り、刃文などをチェックし、銘切りして研ぎ師に回す。以上が一連の工程です。 このように見ると、鋼の鍛接性がいかに重要であるかお分かりになるでしょう。和鋼は鉄と炭素以外の元素をほとんど含んでいないので、フラックス(融剤)無しで鍛接できますが、洋鋼はそうは行きません。 下鍛えや上鍛えにより鍛接部分が複雑な模様となって地金にいろいろの変化を与えます。造り込みは日本刀を複合材として、折れず、曲がらずという刀の機能をよく発揮させるために行うものです。 |
現在、中国山地の島根県奥出雲町で日刀保たたらが再建されていますが、それは現在の日本刀を作る原料としての玉鋼を供給するためなのです。