UMCo50

Co-28Cr-21Fe-1Si-0.9Mn-0.1C (mass%)
優れた耐熱衝撃性・耐摩耗性を有するコバルト合金
  ※UMCoは日立金属株式会社の登録商標です。

特長

UMCo50は優れた耐熱衝撃性・耐摩耗性とサルファー、バナジウムアタックに対して強い耐熱性コバルト合金です。また、ほかのコバルト基、ニッケル基の耐熱材料に比べて融点の高い事も特長の一つで、製鉄所のスキッドレールに使用した例では常用1,350℃で使用しております。従ってUMCo50は、融点が低いために使用出来なかった熱処理関係、炉関係に優れた性能を発揮致します。
ドワイロイド焼結炉部品、銅インゴットモールドの底板、アーク炉のドア・ガイド,ビレット再加熱炉のスキッドレール・ブッシュ、ロッド,熱処理用トレー、塩浴炉用電極、燃焼用バーナ、ディフューザー、熱電対保護管等の用途に使用されます。

耐衝撃性

UMCo50は特に耐熱衝撃性を考えて開発されたもので、一般に使用されている25Cr-20Niステンレスよりもはるかに優れております。例えば加熱-冷却サイクル(1,000℃-水冷-7秒)を500回行っても亀裂は全く生じませんでした。また実際に重油炉で1,000℃に加熱し、種々の焼入れ剤に焼き入れするトレイに4年半使用しましたが殆ど亀裂は生じません。これに対して25Cr-12Niは平均8ヶ月しか使用出来ませんでした。

耐摩耗性

UMCo50の耐摩耗性は例えば硫化銅の焼結用鉄格子に使用した結果50ヶ月使用しても殆ど劣化は認められません。しかし今まで使用されていた鋳鉄製の部品は900℃で操業されたにもかかわらず腐食、酸化、摩耗が著しく、わずか3ヶ月半しか使用出来ませんでした。

溶接性

UMCo50の溶接はアーク、或いは酸素アセチレンで共金溶接ができます。なお、高度の耐摩耗性が要求される場合にはこれにビシライトを溶接すれば良く、UMCo50とステンレス、または鋼との溶接にはMA-W溶接棒も使用出来ます。

形状

圧延板、鍛造品、溶接管、継目無し管、など各種形状の製造が可能です。

技術データ

物理的性質、機械的性質、高温硬さ、応力破断強度の一例、高温腐食データは下記の通りです。

物理的性質

比重 融点(℃) 電気抵抗(μΩ-cm) 熱膨張係数(10-6/℃) 熱伝導度(W/m・K)
8.05 1,380~1,395 25℃ 82.5 0~1,000℃ 16.8 9.22

機械的性質

  引張強さ(N/mm2) 耐力(N/mm2) 伸び%
3mm板(圧延放) 883~1,157 363~451 10~28
3mm板:1,100℃ X 30'焼鈍 785~883 294~363 10~20

高温硬さ(鍛造品)

温度(℃) 硬さ(HV)
20 260
600 228
700 210
800 160
860 76
加工硬化後 425

ラプチャー強度の一例

温度(℃) 応力(N/mm2) 破断時間(hr) 伸び(%)
700 177 21.3 15.6
900 39 118.6 12.6

高温腐食

  温度(℃) 時間 重量減
g/m2 g/m2/hr
板(圧延放) 1,000 144hr 26~83 0.18~0.58
板(圧延放) 1,200 144hr 200~120 0.69~0.83

27Crステンレスは1,200℃、96時間で300g/m2、3.1g/m2/hr.になります。