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たたらの歴史

砂鉄の種類

ケラ押しに用いる真砂砂鉄は、黒雲母花崗岩を母岩とし、母岩中の鉄分は1〜2%、光沢のある漆黒色、やや粒が大きく(50〜100メッシュ)分離しやすいのが特徴です。ズク押し用の赤目砂鉄は主に閃緑岩を母岩とし、母岩中の鉄分は6〜9%と高いのですが、粒はやや細かく、色は脈石によって赤味がかかり、分離しにくいという特徴があります。

砂鉄の鑑別について、種々の口伝が伝えられています。例えば、砂鉄を握ってみて、掌に応えて砂石を握るようで、火にくべるとパラパラと音が鳴って弾けるものを上等のものとし、握っても掌に応えず力なく、灰を握るようなものは下等品で、銑さえ涌かず、まして刃鉄はとれないとする判別方法や、揉み潰した後の色や重さを用いる方法などがあります。「鉄山秘書」の著者、下原重仲は、良い鉄を吹くには砂鉄が第一といい、「粉鉄(砂鉄)を第一にする事は鉄山の元也、此一物悪ては不成」と述べています。

これらの真砂砂鉄や赤目砂鉄は、風化した母岩から直接採取しますので山砂鉄とも言われますが、そのほかに採取される場所によって川砂鉄浜砂鉄があります。これらは流水により運搬淘汰され堆積したものですから、いろいろの種類の砂鉄が混在したものと思われますが、概してチタン分の多いものが多いようです。主にズク押し用やケラ押しの籠もりおよび上り砂鉄に用います。

真砂砂鉄がケラ押しに適し、赤目砂鉄がズク押しに適する理由については諸説があります。従来、赤目砂鉄はヘマタイト(Fe)が多く、還元されやすいため、ズクを生成し易いと考えられていました。しかし、還元実験をしてみますと、次の図のように、還元性はむしろ真砂砂鉄の方が良いという結果が得られています。一方、融点を調べてみますと、真砂砂鉄が1420℃、赤目砂鉄が1390℃となっていますので、この差がズクやケラの生成し易さに影響しているのではないかと思われます。


真砂砂鉄と赤目砂鉄、浜砂鉄の還元時間と還元率

中国山地でたたら製鉄が栄えたのは、極上の砂鉄、つまり不純物の少ない真砂砂鉄が採れ、古くから優れた錬鉄や鋼が製造されていたからに違いありません。

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